フェルミ推定 No,261

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突然ですが、「フェルミ推定」って、ご存じでしょうか? アメリカのGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)やコンサルティングの会社が入社試験に使ったりして有名になりましたが、何かと言うと、パッとは答えが見つかりにくいことを敢えて出題するというものです。例えば、「富士山を10トントラックで移動させる場合、何台のトラックが必要か?」とか、「日本に信号機は、いくつあるか?」または、「琵琶湖の水を全部抜くと25mプール何杯分あるか?」などです。会社側は、このような突拍子もない質問に対して、受験者が、持っている知識を組み合わせながら、できるだけ近い数値を割り出そうとする論理的思考力を見ようというもので、実は私もニッセン時代の社長面接で「日本に電信柱は何本あるか、分かりますか?」などと聞いてました。

さて、何でこんなバカみたいな質問をするのかと言うと、私の考えですが、このフェルミ推定は、社会に出て各企業や部門が置かれている状況、もっと言えば人生と同じだと思うからです。理由は、「今期、自分の会社の売り上げを120%にしたい。」と思ってるとして、他の100万の会社や部門が同じように120%にしたい、と言ったとしても、置かれている環境や条件は、一つとして同じ物はなく、それぞれ全く異なっています。だから、A社で成功したからと言って、残りの会社が同じことをして成功するとは限りません。確かに参考にはなりますが、その通りやってもうまく行かないケースが多い。だから、自分たちなりの条件を探して、その条件下で最適に近い答えを見つけないといけない。私たちの人生でもそうです。どこかの成功している人と同じことをしてもみんなが成功することはないので、今の自分なら何をすべきか、その答えは持っている知識や経験から導き出さないと、誰も正解を持っていません。つまり、1+1=?(答えは2しかない。)と言うことばかり教えて、その記憶力ばかりで上下をつける今の教育では、2=?(2にするには、無数の式が存在するが、今最適な式は?)と言う問題には答えられなくなってしまうのではないでしょうか。

教育についてもう少し言いますが、日本の教育はびっくりするくらい暗記しないといけないように感じます。特に歴史など、暗記暗記で「関ヶ原の戦い1600年」などイベントと年号を覚えましたが、年号さえ合えば、〇。じゃあなぜ、関ヶ原の戦いが起こったのか、なぜ豊臣側の武将が家康の方についたのか、各武将は、どのような理由で東と西を選んだのか、1600年と言う年号を覚えるだけでなく、複雑な人間関係や個々の武将の思惑など生々しい人間関係が歴史を動かした事実は、ほとんど学校で教えてくれません。自分が家康なら、自分が三成なら、小早川秀秋の立場ならどうするか、自分が西軍大将の毛利輝元なら大阪城から出なかっただろうか、など「自分ならどうするだろう?」と考える教育が必要ではないでしょうか? NHKの番組で「英雄たちの選択」と言うのがありますが、まさにそれと同じで歴史上のイベントで「君たちが、その立場だったらどうするか?」そんな教育をすれば、環境が変わってもどう生き延びるか、が学べるような気がします。企業活動も人間関係も生きる事そのものが、複雑で難しいことです。単に記憶しているだけの答えで切り抜けられないことも多々あります。

そう考えると、私は、若いうちに「フェルミ推定」などの、なかなか答えを見つけにくい問いに真剣に向き合うべきだと感じています。記憶力による答えは、たくさん記憶すること自体は大変かもしれませんが、記憶した答えを書けば、正解ですので、考えたら極めて簡単なこととも言えます。なぜなら、答えが決まっている問いは、それを書けば誰でも正解となりますが、実際の世の中は、答えがあるものだけをいくら覚えても答えの分からないことに出会うと無力になってしまうことが多いからです。例えば、ギャンブルか何かで金を使い、借金がある。だからと言って、それを何とかして返そうともせず、目の前の闇バイトに手を出し、人生を台無しにする若者や、人生で何かの失敗があると、本当は身から出た錆で自分に責任があるのに、いつも他人のせいにして、自分は不幸だなどと言いながら一向に前に進めない大人などは、答えを探そうとするチャンスを放棄した、”あまりにも短絡な思考”と言わざるを得ません。私の知っている若い社長(今、40歳くらい)は21歳の時に会社を興して、2~3年で会社が倒産、借金も数億円あったが、自己破産もせず、地道に頑張って数年で全額返しました。その後は再度会社を興し、現在は従業員も100人を超えるまでになりました。その間、周りからの容赦ない仕打ちなどと闘いながら、死に物狂いで自分なりの答えを探して、結果的に人生を大挽回させたのですが、彼は高卒で大学には行ってません。だからと言って一概には言えませんが、記憶力を競う試験に合格して有名大学に行ったとしても、答えを覚えるだけでは人生はうまく行かないのではないでしょうか。答えを見つけるためには、逃げずに自分の力で答えと格闘することしかありません。日本全体が早く、記憶力第一教育から抜け出して、難題にぶつかっても逃げずに答えを探し求める創造力、忍耐力を育てる教育になってほしいと思う今日この頃です。そう考えると、フェルミ推定のとんでもない質問もたまには、良いかなと思いませんか?

と言うことで、みなさんに質問です。

「いま世界でトイレに入っている人の数は何人でしょうか?」そんなこと知るかい、アホか!などと言わず、これを解こうとすることが、人生を豊かにしてくれるヒントになるかもしれませんよ。答えは次回に。

 

(あとがき)

今回は、教育について少し触れましたが、私は小学校中学校の教育は、国語、算数(数学)、社会(歴史)そして道徳、この四つで充分じゃないかと思っています。国語は言葉を理解するのに必要、算数は計算しなくても頭の中である程度の数値を判断するのに必要、歴史は過去の人たちの生き方を学ぶのに必要、そして道徳は、どう生きるかの基本になるので必要。他の理科や英語などはスマホを持っていれば充分だし、他の教科は高校以降で興味がある人がその分野を一生懸命にがんばればいいのかな、と思っています。皆さん、どう思いますか?

今回も勝手なことを書きましたが、次回は4月末に更新しようと思っています。

 

 

 

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