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さあ、もうすぐ4月。桜もぼちぼち開花する時期になりましたが、日本では、明治時代に政府の財政年度を4月からと定めて以来、学校は4月始まり、企業も上場企業の7割くらいが4月を新年度としていますので、4月は一年の中でも新たな生活が始まる特別な月になりました。
私など、さすがにこの年になってしまえば、「4月がどうした!なんも変わらんわい。」と、憎まれ口くらいしか出てきませんが、思い出の中での4月は、「新しい学校にどんな友達がいるだろう。」と言う”不安”や、生まれた土地から離れるときの”寂しさ”、知らない社会へ飛び込む”恐さ”、そして、それらに勝るとも劣らない”大きな期待感”がごっちゃになった複雑な心境の中で、桜を眺めていたような気がします。
そして、70歳目前にして感じるのは、新しい環境での不安や恐さ、寂しさなどを取り除いてくれたのは、いつも”人”だったように思います。友達はもとより、先生、先輩、上司など、その時々で自分に力をくれた人たちがいたからこそ「何とかやってこれた。」と、つくづく思います。所詮、社会とは人間の集まりなので、人を助け人に助けてもらいながらしか、生きて行けないものなのでしょうね。
人との関係がうまく行っていれば、問題も問題ではなくなりますし、多少、嫌なことがあっても相談できる人がいれば乗り越えられます。特に恩師や上司の存在は大きく、多少の逆境でも尊敬できる指導者がいれば、苦しくても耐えれえていたように思います。ただ、周りに自分を理解してくれる人が誰もいない、相談できる人がいない、となれば、例え一日でも我慢するのは辛いでしょう。さらに、人の成長と言う観点から見ても「先生や上司などの指導者が、いかに大きな影響を持っているか。」と言う事例を紹介したいと思います。
みなさんは、「ピグマリオン効果」と言うものをご存じでしょうか? これは、アメリカのある小学校で行われた実験ですが、無作為にAとBにグループ分けし、Aは今後伸びる子のグループ、Bはそうでもない子のグループと担任の先生に説明して、しばらく様子を見てみると、Aの方が成績が伸びていた、と言うものです。つまり、「この子たちは伸びる。」と思って先生が接していると子供たちも自然とその期待を感じて努力する結果、成績に差がついてしまうらしいです。
「元々の資質は変わらないのに、期待されただけで成績が変わるのなんて本当?」と思うでしょうが、私は大いにあると感じます。期待されると”やる気”が出てきます。それが成果を左右することは充分考えられる訳で、この”やる気”については、ニディック(旧日本電産)の永守会長も「人の能力の差は、せいぜい2倍から5倍くらいだが、やる気の差は100倍ある。」と言ってますし、京セラ創業者の稲盛和夫氏も同様のことを言ってます。私が見てきた中だけでも、やる気の有り無し、やる気の大小でずいぶん成長の度合いが違った事例を見てきました。ですので、学校の先生や企業の上司の役割は、とても重いと言うことですね。
ところが、この前、昔の部下から久しぶりにメールが来て、「上司から、あまり期待していない、と言われて、やる気が失せました。」と言ってたのを聞くと、バカな上司もいるもんだ。とちょっと呆れてしまいました。上司からの一言は、発した上司の方が思っているより、数十倍、数百倍ほど重いものです。戦争に行くのに「お前たちには期待していない。どうせ負けるだろう。」などと言えば、勝つ戦も勝てるはずがありません。上司の役割の多くの部分は、部下を鼓舞し、やる気を引き出すことに使うべきだと思っているのですが、100回鼓舞するための努力をしても、一言「期待してない。」と言えば、全てが水の泡です。言葉にしなくても、そう思っていれば態度に出ます。このブログを見ている上司の皆さんは、ぜひ「自分は、本当に部下を信頼し、期待しているか。」と、時々自問自答してみてください。「そういうお前はどうだ?」と言われると、すみません。できてない部分もありました。ただ、基本は、そうしたいと言う思いから、いろんな人に声をかけるようにしていたと思います。
さて、戦国武将で、何度も少数で大軍を破り「生涯負けなし」という無類の強さを誇った武将がいました。筑後柳川藩初代藩主の立花宗茂(たちばなむねしげ)です。その強さの理由の一つは、「家臣たちが死を恐れずに、全員命を懸けて戦う。」ことでした。この用兵術に上司としてのお手本があるように思いますので紹介したいと思います。宗茂自身の性格は温厚で徳があり、驕らず。功ありても誇らず、善に従う、奸臣を遠ざけ、奢侈を禁じ、民には情けをもって接し、正しく部下を導く。このような優れた武将で、秀吉や家康にも一目置かれた武将ですが、立花軍の兵士があまりにも強いので、晩年、周りから「立花軍はなぜ強い?」と兵の運用法を問われた時の答えが次の通りです。「大将が采配を取って、ただ”進め”とか”命を懸けろ”と言っても、それだけで従う者はいない。まずは、常々、上は下を子のごとく情をかけ、下は上を親のように思うような人使いをし・・・兵士に対して、えこひいきをせず、慈悲を与え、法によって公平に対処する。そうすれば、下知(命令)しなくとも勝つように動くものだ。それ以外は特に理由はない。」と言ってたそうです。日本で柳川藩だけに大きな兵士や体力のある兵士が生まれる訳はなく、どこにでもいる兵士が、上から期待され情けをかけられ、この人のために働こう、命を懸けようと思うことで精鋭になったとすると、やはり、人の力を引き出すのは上に立つ者の力量が大きいですね。現代の企業に当てはめると、「頑張って売上・利益を上げろ!」と言うだけでは、決して上手くは行かない、まずは、いかに上が下のことを思うか、が大事と言うことですね。
さあ、もうすぐ新年度スタートです。一人で悩みを抱えず、上下左右を見渡して、周りの人と手を携えて前に進んでいきましょう。そして、今までの困難や問題を一旦クリアできるというのも新年度の良いところです。昨日まで良かった人は、続けて突っ走り、昨日までのことに区切りをつけたければ、過去を一度置いといて、大きな線を引き、「ここからまた始まり!」にすればいいのです。それも新年度ならではの良いところですね。
では、みなさん、いいですか、よ~い、スタート!
(あとがき)
今日は先生や上司など、指導者の話をしましたが、私が、先生の中で思い出すのは、中学時代の担任で柔道部の先生です。大変お世話になりました。この間、私の本を送ったら、入院されているが大変喜んでいる、と多分奥様からの代筆でハガキが届きました。入院先のベッドで読んでいただけたら、少し恩返しができたかなと思います。その先生が言われたことは、今でもはっきり覚えています。それは、「人間、バカとクソが付くくらいが丁度いい。」「こずるがしく世渡りするんじゃなく、堂々と、バカ正直に、クソ真面目に生きて行く。それが大事だ!」・・・・「ハイッ、ありがとうございます!」
では、次回は4月10日くらいに更新します。