神様、仏様(Part2)No, 252

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前回の”神様”に続き、今回は”仏様”について書いてみたいと思います。考えてみたら、この年まで、いろんな寺院に参拝しましたが、一口に仏様と言っても我々が拝む対象は、観音様であったり、お釈迦様、お地蔵さん、お不動さん、お薬師さん、帝釈天、大黒様、その他お葬式や法要では、佐村家は浄土真宗なので阿弥陀様と、正直言って仏様には申し訳ないですが、何が何だか分かりません。キリスト教であれば、イエス・キリスト、イスラム教ならアッラーと、絶対的な神が存在しているのですが、仏教においても前回の神道ほどではないですが、非常に複雑ですので、それをちょっとずつ分かる範囲で紐解いていきたいと思います。

仏教と言うと、まずいろんな宗派があり、そこから入ると分かりにくいので(私の感想)、最初にご本尊として各寺にある仏像について簡単に説明します。ご本尊としての仏像は、大きくは4つのグループに分れるようです。まず一番上の階級グループ①は、既に悟りを開き仏教の頂点として存在するもの、それらを「如来(にょらい)」と言います。具体的には、釈迦(しゃか)如来→代表的なお寺は京都東福寺や千本釈迦堂。大日(だいにち)如来→東寺・高野山金剛峰寺、阿弥陀(あみだ)如来→知恩院・本願寺、薬師(やくし)如来→薬師寺など。毘盧遮那(びるしゃな)如来→写真の奈良の大仏など。

次の階級であるグループ②は、如来に続く存在で、まだ悟りは開いていない修行中ですが、我々のような衆生(しゅじょう)を救うのが「菩薩(ぼさつ)」です。日本のお寺では一番多いのが観音菩薩で→清水寺・浅草寺など。他は地蔵菩薩→壬生寺・高塚地蔵など。弥勒菩薩→広隆寺など。文殊菩薩→天橋立知恩院など。

さらにその次のグループ③は「明王(みょうおう)」と言って特に密教(真言宗や天台宗など)で重要な役割を持ち、大日如来の生まれ変わりなどと言われていますが、一般的には如来や菩薩に仕える存在で言うことを聞かない人を力ずくで仏教に帰依させるなどの役割を持っています。具体的には、不動明王→成田山新勝寺など。愛染(あいぜん)明王→清水寺奥の院愛染堂、根来寺。その他軍荼利(ぐんだり)明王など。

最後にグループ④としては、「天部(てんぶ)」と言って、元々インドの神様であったものを仏教が取り込んでできたものがあります。代表的なものは、フーテンの寅さんで有名な帝釈天→柴又帝釈天。上杉謙信が旗印にも使い信仰していた毘沙門天→鞍馬寺など。他には弁財天→琵琶湖竹生島宝厳寺。梵天、大黒天、韋駄天、歓喜天など。

これら4つのグループに分けた仏像は、単独で存在している場合もあれば、複数で一つのお寺にご本尊として祀られている場合もあり、それぞれに得意分野があるので、前回の神様と同様、事前にそこのご本尊が何でどんなことにご利益があるのか、を調べておくと良いと思います。例えば、浄土真宗のご本尊である阿弥陀如来は、西方浄土の教主で一心に「南無阿弥陀仏」と唱えることで死後に極楽浄土へ往生できることを目指すわけですから、現世利益をお願いするのは、ちょっと「俺の得意分野じゃないぞ。」と言われそうですし、病気平癒や健康などの現世利益であれば、薬師如来、とりあえず今の苦しみを救ってほしいなら、観音様にお願いする。また、三人そろえば文殊の知恵と呼ばれる文殊菩薩には、学業向上のご利益があると言われているようにそれぞれの一番得意なことをお願いするようにした方が良さそうです。もちろん、それぞれで幅広いご利益があるので、そう固く考えなくてもよいのでしょうが・・・・。

さあ、知れば知るほど、分からなくなりそうな仏教ですが、簡単にその歴史を見てみると、まずは、6世紀ごろ大陸や朝鮮半島から伝わり、奈良時代に国家鎮護として広まりますが、まだまだ一般的ではありませんでした。そのころの宗派は、三蔵法師の弟子である慈恩大師の開いた法相宗(興福寺)や唐、新羅の僧が開いた華厳宗(東大寺)など、まだまだ輸入されたばかりの宗教です。その次の平安時代になると最澄の天台宗(比叡山延暦寺)や空海の真言宗(高野山金剛峰寺)などの密教と言われる秘密の教えが貴族たちの信仰を集めます。密教は、誰にでも分け隔てなく布教を許す他の宗派と一線を画し、修行をして直接授かった人しか教えを示してはいけないもので、まだまだ仏教は一般庶民のものではありませんでした。その後、鎌倉時代になってようやく武士や一部の一般庶民にも仏の教えが広まります。それは修行より念仏を唱えることを教える法然の浄土宗(知恩院)、親鸞の浄土真宗(本願寺)、日蓮の日蓮宗(身延山久遠寺)、さらに武士の精神修養として受け入れられ、ひたすら座禅をし、悟りを開く道元の曹洞宗(永平寺)や栄西の臨済宗(建仁寺)と言った禅宗など、今の時代にも多くの信者のいる宗派が生まれます。続く戦国時代や江戸時代には、一挙に庶民へ浸透し、各地で多くの信者を集め大きな力を持つものまで現れました、戦国時代の一向一揆は今でいう浄土真宗の門徒たちによる時の権力者への反乱でした。その仏教が明治になると廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)と言う困難に見舞われます。明治政府は神道を重要視し、仏教を廃す動きをしましたが、何とかその混乱を乗り越えて今に至っています。

さあ、いろんなことを言いましたが、現在の仏教各宗派の信者数を文化庁のデータから拾ってみると、1位浄土真宗本願寺派(西本願寺)784万人、2位浄土真宗大谷派(東本願寺)735万人、3位浄土宗602万人、4位曹洞宗367万人、5位天台宗153万人、6位真言宗142万人と続きます。私は最多数の本願寺派浄土真宗ですが、親鸞の事や阿弥陀如来のことは、ほとんど知らずに生きてきました。これからもあまり深くは信仰しないだろうと思いますが、浄土真宗に限らず、さらに仏教神道に限らず他の宗教も含めて、神社仏閣に行く際には少しだけでも事前勉強して行こうと思いました。そうすれば、誰だか分らない相手に適当にお願いするより、相手が何者か分かれば、何か、より願いごとを真剣に聞いてくれるような気がします。お賽銭を5円しかあげない人間の願いですが、神様仏様、どうかよろしくお願いします。

 

(あとがき)

宗教は難しいですね。解釈一つで大きく変わります。例えば、釈迦如来は、いわゆるお釈迦様ですから唯一無二の存在だと禅宗では言うようですが、浄土真宗では阿弥陀如来は釈迦の師匠で釈迦は弟子だ。とか密教の大日如来は全宇宙の中心で一番の存在である。などといろいろな解釈がありそうで、はっきり言って何が本当なのか、分からないところもあります。神道でも誰が上とか下とかいろいろありそうですし、仏教、神道に限らず、世界の各宗教間でもどちらが正しい、とか複雑な要素が多くあると思いますが、どのご本尊(ご神体)が上か、誰と比較するか、ではなく、今まさに目の前にあるご本尊(ご神体)だけに向かい心を開いてお願いすることが大事なように思います。イワシの頭も信心から、と言う言葉がありますが、何を信じようが、その人の一番良いように思えば、それが本当の神様仏様になるのでしょうね。

と言うことで神仏に頼らず、また、明日からも頑張って行きましょう。

次回は、31日ころの更新です。

 

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