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今年も残すところ355日になりました。時々、”のぞみ”の止まらない新幹線の駅ホームで次の列車を待っていると、目の前を”のぞみ”が猛スピードで通り抜けていきますが、まさに時が過ぎるのも同じような感覚で、あっという間にヒューッ!と過ぎ去っていきます。
と言うことで正月も私の前で止まることもなく目の前を通り過ぎて行きましたが、新しい年が始まりました。別に正月だからと言って、何と言うことはないのですが、テレビで初詣の様子などを見ていて(写真は日本で一番初詣客が多い明治神宮)、これだけ多くの人たちがお参りに行く神社やお寺について、果たして日本人って、どれくらい理解しているのかな?と自分の知識の無さも気になっていて、少し調べてみました。と言うことで、今回と次回は「神様、仏様」についてです。Part1の今回は、神様(神社)について、最近ようやく知ったことを書いてみようと思います。
私たちは、よく「神だのみ」と言いますが、本来神社に行って自分の願い事だけ言って帰るのは、良くないとされています。それは、神社の成り立ちなどを見ていると、穢れ(けがれ)を祓う(はらう)ために作られたケースが多々あり、例えば、平安時代に菅原道真が政略により大宰府に流されたあと、都で長雨や洪水、干ばつなどの災害が続き、「これは不遇のうちに死んだ道真の祟りだ。」と言うことになり、「道真公を神として祀るので、どうか人々に災いがないよう赦してください。」との思いで作られたのが全国に1万以上ある天神様です。他にも富士山の噴火で大きな被害が出た後に、その山の怒りを鎮めるためにできた富士山浅間神社など、要は災難や被害をもたらすのをやめてください、と願って作った神社ですから、お参りに行った場合は、「今日現在、平穏無事でありがとうございます。」と、まずは感謝するのが正しいそうです。かと言って、願い事をしたらダメかと言うと、そうではなく、感謝したあとに、いろいろお願いすることは別に悪くはないようです。
さて、神社と言っても、その数は神社庁に登録されているもので全国8万以上(実際には10万以上あるとも言われている。)非常に種類も多く分かりにくい日本の神社ですが、大きく分けると、①神話・古事記系→天照大神(アマテラスオオミカミ)の伊勢神宮など、須佐之男命(スサノオノミコト)の八坂神社など、大国主命(オオクニヌシノミコト)の出雲大社など。②歴代天皇系→明治天皇の明治神宮、神武天皇の橿原神宮など。③歴史上の人物系→菅原道真の天満宮、織田信長の建勲神社、徳川家康の東照宮から乃木希典の乃木神社や東郷平八郎の東郷神社など、明治になって活躍した人も神様として祀られています。④自然崇拝系→富士山を祀った富士山本宮浅間神社、御嶽山の御嶽神社、稲荷山の伏見稲荷大社など。特に稲荷神社は全国に3万社あると言われています。⑤八幡(はちまん)神系→応神天皇など3柱を祀る神社で武の神様、総本山は大分の宇佐八幡宮で、京都の岩清水八幡と神奈川の鶴岡八幡を合わせて三大八幡宮と言う。八幡様は稲荷神社よりも多いとされている。⑥鎮守・氏神系→地域の守り神やその地域の有力氏族を祀ったものと、大体大きくは、こんな感じで分かれるようです。
もう少し、神様や神社についての話を続けますと、神様にも得意不得意があるようで、伊勢神宮などは、国家安泰、家内安全ですが、天満宮は学問成就、知識向上。八幡様は武運長久、武芸上達。稲荷神社は、五穀豊穣、商売繁盛。大国主命は、縁結び、家庭円満。と、それぞれに得意なものがあるので、感謝の後にお願いするのであれば、できるだけ願いたいことの得意そうな神社に行った方が良いだろうと思います。(そうは言っても、得意な分野だけでなく、どこの神社でもお守りは大体の願いがそろっている。)
まあ、ここまで書きながら、書いている本人も「何や、分かりにくいなあ。」と感じてしまう日本の神様ですが、それもそのはず、そもそも神道には、経典と言われるものがありません。キリスト教、イスラム教などは明確な教えと経典がありますが、神道にはない。そして、神として崇めるのもキリスト教はイエス、イスラム教はアラーと明確なのに、神道の神様は複数で多数、祀っているものも、人、自然物、道具、動物、動物の骨・・・等々種々雑多です。しまいには、飛行機を祀った神社などもできるなど、本当に八百万(やおよろず:非常に多くの数)の神様が存在しており、それぞれを神様として分け隔てなく信仰している日本人は、世界でも珍しい民族だと言えそうです。
その他、神社の名前もいろいろ呼び方がありますが、神宮とは、基本一番上の格式と言われており、主に皇祖(アマテラスのような天皇の先祖)や天皇を祀っているもので明治神宮、伊勢神宮等々。次に宮(ぐう)とは、神宮に次ぐ高い格式と言われ、天皇や皇祖と関係の深い人物や歴史上の重要人物を祀っているもので、東照宮、天満宮など。それから大社は、全国規模の神社の総本社で、出雲大社、住吉大社、宗像大社など。その次が、普通に我々が言うところの神社、さらに規模が小さくなると、社(やしろ)と呼ばれています。
さあ、いろいろ言いましたが、ちょっと調べただけでも、いかに自分が無知だったか恥ずかしくなります。今まで何もを考えずに、とりあえず神社に行けば、それが何の神様か何のご利益があるのか気にもせず、自分の願いを山ほどお願いしながら、お賽銭は5円しか入れない不届き者でしたが、これからは神社に行く時は、行く前にちょっとだけでも調べてから、行くようにしたいと思います。
「いろんな神様へ、69年間、何も考えんと適当にお参りして、申し訳ありませんでした。」
(あとがき)
正月早々、なぜこのように神様や仏様を調べようと思ったかと言いますと、よく旅行に行くとその近辺の有名な神社仏閣には、お参りに行って、記念に御朱印帳に記帳してもらうようにしているのですが、そこにどんなご神体(神社)、どんなご本尊(お寺)があり、どのような謂れ(いわれ)なのか、またご利益(ごりやく)は? など全く考えず、ただ、記帳してもらい、それを集めるだけです。これじゃあ、子供がスタンプを集めるのと変わらないじゃないか! 今年70にもなろうかと言う、ええ年のおっさんが、これじゃいかん、と反省した次第です。「今ごろ遅いわい!」と言うお叱りも聞こえてきそうですが、人間、「気づいて改めるに遅きことなし。」これからも、「今さら何を言うてんねん。」と思われるようなことも勉強して行こうと思います。
と言うことで、まだまだ未熟な2025年正月です。
では、次は今年も残り345日くらいの時に更新します。