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トランプさんの大統領就任、世界がどうなるのか?日本はどうなるのか?まあ、これらのことは連日、テレビでいろんな人が語ってますので、私ごときが言うことは何もありませんが、日本のためには、石破さんには、得意のゴルフ(高校はゴルフ部)でトランプを負かして、「おぬし、やるな!」と思わせるくらいしか思いつきません。
と言うことで、最近、首都圏近郊で起こっている連続強盗事件について、ちょっと話してみたいと思います。これらの強盗事件は昔と違って、ほとんどのケースが素人の闇バイトがらみのようです。何で、あんな、はっきり分かる犯罪に普通の人が手を染めるのか、「それは子供のころから、しっかりした道徳を教えてない、だから善悪の区別もつかずにあんなことになる!道徳教育が大事だ。」と勝手に思っていましたが、それだけではないようです。
何かと言うと、自分が気が付かないうちに、都合の良い情報だけを集めて、正しいと思ってしまう、いわゆる”確証バイアス”によって犯罪者が増えているように思います。
例えば、借金でお金に困っている人が、”高収入バイト”を見つける。内容は、闇バイト主犯者(闇)が、「私の代わりにお金を取りに行くだけの簡単な仕事です。」と言い、さらに(闇)「実は相手は、私の金を騙した取った詐欺師なんです。その金を取り戻してほしいのです。」この辺で普通の人は「やばい。」と思うのですが、自分はお金を稼がなくてはならないという強いモチベーションがあるので、「ちょっと危ないが人助けかも。」と勝手に考え、「どうやって、取り戻したらいいのですか?」と聞くと、(闇)「住所と名前を教えるので、眠っている間にでも、そこに行って取り返してもらえないでしょうか。」そう言われると、さすがに「それ犯罪じゃないんですか?」と疑問を持ちますが、心のどこかで確証バイアスが働き、自分の都合の良い情報を探してしまいます。その時に(闇)「相手は詐欺師で私の金をだまし取った悪い犯罪者ですから、見つかっても警察には連絡できないのです。」と言われると「そうか、相手は犯罪者で警察には連絡できないから、万が一見つかっても自分が警察に捕まることはない。」そうなると、ますます自分の都合で善悪の判断をしますから、(闇)「できたら、あなたを守るためにも、また成功させるためにも、素手ではなく金属バットかバールを持って行ってください。そして、犯罪者に正義の鉄槌を・・・」と言われ続けると、「相手は悪い犯罪者だし、取り返してやることは正しいことだ。」「それで金が稼げるなら、やるべきだな。」と結論を出してしまう。現実にこれに似た誘導で事件を起こしたと捕まった犯人が言ってました。
冷静に考えると善悪の区別はつくのですが、確証バイアスが働くと、都合の悪い情報は頭に入らず、非合理的な判断をすることになります。この場合も、相手が詐欺師ではなかったら?とか、もし詐欺師だとしても家に押し入るのは犯罪じゃないか。などと言う当たり前の情報は、頭に入らないのです。一連のやり取りを聞いていると、どんな相手にどう攻めればうまく動くか、主犯者は、相当、心理学にも精通しているように思えます。
この確証バイアスは、ビジネスにおいても良く出てくることで、いつの間にか自分の都合の良い情報だけを集めて意思決定をして、ビジネスが悪い方向に行くケースは、本当に多く見られます。そして、大体が状況が良くない、事業がうまく行ってない時に特にそのような傾向があります。なので、悪い時に悪い意思決定をするので、さらに悪くなっていくのです。闇バイトについても同じで、これも、ほとんどが借金をしていて、金に困っているような人が引っかかってしまってるようで、悪くなると、さらに悪い決断で身を滅ぼしてしまってます。
さあ、相手の心をも理解して悪事を働く闇バイトですが、”テレグラム”(注:1)などと言う秘匿性の高い通信手段を使い、自分は誰だか分からないようにしておいて闇バイト応募者とやり取りします。したがって、一度相手(主犯者)に身分証などを見せてしまうと、もう大変。確証バイアスを乗り越えて、「これは犯罪だ。」と気が付き断ろうものなら、誰か分からない相手から、「やらなかったら、お前だけじゃなく、家族を殺しに行くぞ。」など脅され、嫌々ながらでも実行してしまいます。
この卑劣な犯罪を手っ取り早く防ぐには、”テレグラム”などと言われる秘匿性の高い通信手段を禁止にする。(これは表現の自由や実際に役に立っている人もいるので難しい。)ならば、禁止にしなくても犯罪の場合は、送信者を警察機関に公表する。(実は過去に日本の警察がテレグラム側に頼んでも全く応じなかったそうです。)それも無理ならば、アイフォン(アップル)やアンドロイド(グーグル)と言ったプラットフォームに頼んで、「犯罪解決に協力しなければ、テレグラムの使用を認めない。」と言うようにすれば、ほとんどの携帯からテレグラムは使えません。そうなると主犯者はお手上げです。警視庁や県警が頑張って主犯者を逮捕することは、もちろん一番重要ではありますが、まずは悪の温床になっている通信手段を規制することが犯罪の抑止には有効ではないでしょうか?そうしないと、ネズミたたきのような捜査を続けていても時間がかかるし、新たな犯罪の形がまた生まれる可能性もあります。ぜひ、警察は日本政府や他国とも連携して、秘匿性の高い通信手段にメスを入れてほしいものです。
(注:1)テレグラムは、ロシアで開発された通信手段で、現在はドバイに拠点を置いているそうです。
(あとがき)
実行犯である普通の人は、「今やめたら、家族がどうなっても知らないぞ。」と脅され、「やらなかったら、家族に被害が及ぶから。」と最後までやってしまうらしいですが、昔、ある弁護士さんと暴力団の行動について少し話したことがあります。その時、弁護士さん曰く「相手も費用対効果(費用に対して効果がどの程度あるか。)を考えますので、費用ばかり掛かって成果の少ないことはやりません。」と言ってました。つまり、家族に危害を加えるためにわざわざ人件費をかけても、得られるものはほとんどなくリスクしかないので、どう考えても単なる脅しとしか思えません。しかしながら、そういう判断にならないのも「絶対に来る。」と思っているから確証バイアスが働くのかも知れませんね。・・・・?