少子化問題を考える。No.236

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1949年の第一次ベビーブーム時270万人に対して、2023年は、わずか73万人。これが、現在日本の新たに生まれた子供の数です。また、一人の女性が一生の間に産む子供の数は、1.2ですから、ますます日本の人口が減って、「これは大変だ。このまま行けば、2065年には8800万人、2100年には5~6000万人になる。」と世間で騒いでいます。

これは今始まった問題ではなく、日本政府も1994年に「来るべき”第三次ベビーブーム”にそなえて。」保育所の充実など、エンゼルプランと言う名称で5年間に2兆円かけて実施しました。ところが、その効果は、ほとんどなく、来るべき第三次ベビーブームも訪れることなく今に至っています。

そもそも、なぜ子供が少ないか、その前になぜ結婚しないか?ですが、大きくは、「便利になって、誰でもそこそこの生活ができるようになった。」からだと思います。昔、私が小さいころは、ご飯を食べようとすれば、母親が朝から七輪に火を起こし、その火でご飯を炊き、お茶を沸かし、おかずを作り、朝ごはんのお用意をしながら、弁当を作る・・・・と、どの家も朝から普通の生活をするのが大変でした。その後、母親は家の掃除をして、洗濯をして、冷蔵庫もないので、毎日買い物に行き、晩御飯を作る。そうしてもらって、初めて父親は会社で朝から晩まで仕事に打ち込めるのですが、独り者の男性は、そんな家事などできないので、親元から通うか、賄い付きの寮みたいなとこか、もしくは、「早く嫁さんをもらう。」か、しかない訳です。女性の方も、今のように働く場所がないし、働けても給料が少なく、生涯一人で生活することはほとんど不可能です。ならば、早いとこダンナを見つけようとします。そこに親や世話焼きの親せき筋、はたまた会社から「早く、嫁さんでも・・・」とか「早く、お嫁に行ったら・・」などと言われ続けると、「そんなに好きではない相手でもしょうがない。結婚しようか。」となるのではないでしょうか?現実にそんな結婚は山ほどありました。「親に言われて、一度も会ったことのない人と見合いして結婚した。」などと言う人も昔は結構いました。今は男性も食べるものや家事には困らず、一人で充分生きて行けますし、女性も、男性に養ってもらわなくても全く困りません。そうなると、「なんで好きでもない人と一緒にならないといけないのか?」となり、結婚する人の数は必然的に減っていきます。また昔は、老後は子供に養ってもらうのが当たり前で、子供のいないところは年取ってからが大変だ、と言ってましたが、今は、そんな大家族は少なくなりました。となると、結婚する人が減り、生まれる子供の数が減るのは必然ですし、止めようがないのではないかと思います。確かにヨーロッパの一部の国のように大金を使って、子供一人生まれたら1000万円支給などと言う策もあるでしょうが、その結果、今の出生率1.2を1.3にできたとして、0.1増やすのに1000万円×13=1億3000万円の費用がかかるようになります。(増分のみでなく今までの1.2の人にも支払うので)つまり、計算すると、昨年の出生数73万人を79万に6万人増やすために約7兆8千億円の税金を使うことになります。その6万人から得られる生涯税金は、2兆7千億くらい(日本人の一人当たり生涯税金額は、4~5千万円)ですので、その人一代では税金の費用対効果は採算が合いません。他にもいろんな手当を入れるとどのくらいになるのでしょうか?

何を言わんとしているのかと言うと、結婚の数が減り、子供の数が減って、人口が減るのは、自然の流れなので、「無理に逆らうな!」人口が8000万人になっても6000万人なっても、それで成り立つ国にしたらいい。そこで出てくる問題の一つは、働く人が減るということだと思いますが、それは高度な機械化AI化(すでに一般事務職やスーパーのレジなどは無人化が進んでいる。)やロボットスーツの普及と改良で、年寄り、女性でも重労働をできるようにする。(現状でもプラス2~30Kgの物は器具をつければ運べる。)などの工夫で相当補えると思います。同じようにその他の問題も今と同じことを継続しようと思わず、人口8000万人で成り立つ世の中を考えれば、解決の糸口はあると思います。世界を見てもドイツ8300万人、イギリス6800万人、フランス6500万人と、日本より大幅に少ない国で充分にやっていけてるところも山ほどあります。8000万人、6000万人と驚いて、ほとんど効果のない無駄な金を”少子化対策”です、と錦の御旗を立てて湯水のごとく使わないようにし、それを年金の充実など来るべき人口減に充てる。その方が将来の安心につながって、逆に子供を産もうと思う人が増えるかもしれません。世の中、流れに逆らっては、ことごとく上手く行かないものです。流れに逆らって、30年前のエンゼルプランのような無理な策を打たないように願っています。

(もう一言)

オリンピックが始まりました。毎日、テレビにかじりついて観ています。夜中に生放送で見てるのですが、本当に・・・・「ふ~う、毎日、朝から仕事が無くて良かった。」毎日、朝から仕事している方、申し訳ございません。

では、次回は8月10日ころに更新します。

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