(続きを読むをクリック)
今から30年ほど前、ハリソン・フォード主演で「今そこにある危機」という映画が上映されました。なかなか秀逸なタイトルで、思わず観に行こうかと思わせるものでしたが、令和6年の幕開けと同時に、能登半島地震、日航機事故と立て続けに大災害大事故が起こり、現場では、そのタイトルと全く反対の「今そこにある幸せ」が一瞬で吹き飛んでしまう正月になりました。被災され方、避難所生活を余儀なくされている方々にお見舞い申し上げます。
その現場や避難所などで聞く言葉は、「風呂に入りたい。」「暖かいところで寝たい。」「食べるものがない。」などと異口同音に”普通の生活”をしたいと言われています。それまで特に幸せなどと感じなかった普通の生活の中には、失って初めてそれが幸せなんだとわかることが山ほどあるということなのでしょう。災害などで一瞬のうちに幸せが無くなるケースだけでなく、例えば自らの病や老いで、それまでできていたことが徐々にできなくなる。また、周りの人が亡くなったり、人以外でも環境や年月、そして経済的な理由で今までと同じことができなくなることもあります。そうなって初めて、「あの時は幸せだったんだな。」と気づくことが多く、何もない時の”今そこにある幸せ”は、なかなか意識できないもののようです。被害に遭われた方には申し訳ないですが、このような大災害が起こると、一瞬先は何が起こるか分からない、この世は本当に”諸行無常”であり、今、普通に生活できることがいかに”幸せ”かを思い出させてくれます。
老子の言葉に「知足者富」(足るを知る=満足することを知っている者は心が豊かである。)という言葉があります。無くなって初めて気づくのではなく、これから先、命のある限り、”今そこにある幸せ”を忘れず、一瞬一瞬を生きて行こうと思います。今年も頑張りましょう。
(あとがき)
さて、この大変な時に情けない報道もありました。被災地で空き巣や詐欺が横行しているそうです。困っている弱者をいじめたり、だましたりして自らの懐を肥やそうなどとは、全く不届き千万! 逆に、現地の外人の方からは、周りが本当に親切にしてくれてありがたい、という言葉もありました。素晴らしいですね。東日本の時もそうでしたが、自分のことはさておいて他人を先に助ける行動が自然にできる北陸の人たちは立派です。日本人として誇らしいですね。素晴らしい国、日本! 美しい国、日本! 正義の国、日本! がんばれ北陸!
一日も早い復興を心より祈念しています。