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昨年2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻が、一年経った今でも続いています。現地の悲惨な状況は連日テレビでも放送されて、世界中の人たち(ロシア、中国等の共産圏を除く)の知るところとなっています。ロシア側の死者は4~6万人、ウクライナも1万人以上の死者と国外に避難した人は人口の約2割にあたる800万人にのぼり、ますます状況は悪化していきそうです。
こんな戦争が、一年も続くとは誰が予想したでしょうか。「一体、いつこの悲惨な戦争は終わるのか?」、答えは誰にも分りません。戦争と言うのは、どちらかが勝ち、どちらかが負けるまで終わらないもので、過去の歴史で戦争を始めて、双方が勝って終わることなど皆無です。このままでは、最後には、唐の詩人、杜甫が詠んだように「国破れて山河あり、城春にして草木深し・・」(戦争で国中が荒れ果ててしまった。春になって、今まで栄華を極めていた城には、雑草が生え放題・・・)となってしまわないと終わらないのかも知れません。仮にプーチンが亡くなったとしてもプーチンに変わる為政者が遺志を引き継ぐと、ますます長引くこともあり得ます。
この戦争のように侵攻しただけで終わらず、侵攻された側が挽回しながら拮抗を保つ形は1950年代の朝鮮戦争と少し似ています。朝鮮半島を舞台に北朝鮮が一気に韓国に攻め入り、南のプサン辺りのみを残してほぼ全土を占領しましたが、マッカーサー率いるアメリカ軍の仁川上陸作戦などで、今度は半島北部まで奪還します。ところが中国の義勇兵が戦争に参加することで、またもや押し戻され、結局、今の境界線である北緯38度線で南北に停戦ラインがひかれました。この戦争は、唯一と言っていいほど双方が勝ちを主張し、終戦ではなく停戦になりました。したがって、朝鮮戦争は現在も停戦中であり、終戦はしていないのです。
この事例を当てはめると、ウクライナの東部4州はじめ一部のウクライナ領は、一度はロシアが占領しましたが、その後、一部をウクライナが取り返して拮抗状態にあります。この後は私の無責任で勝手な考えですが、東部4州の一部(半分くらい)を分け合って、国境線を引く。ただし、それではウクライナにとってロシアが勝手に侵攻して領土を取られた形で終わるので、あくまで領土としてはウクライナのものであるが、50年ないし100年間の租借権をロシアに与える。そんな形であれば、ロシアにとっても「一部の領土を実質的に手に入れた。」となり、ウクライナにとっては、「侵攻されていた地域を奪還して取り戻した。」と双方が”勝ち”を主張できるのではないか、と思います。まあ、それに近いような、いわゆる双方のメンツが立つ形でアメリカと中国などが中心となって話し合い、戦後の復興費用も大国が出し合うようにすれば、当事国だけでなく米中を始め他の支援国にとっても、経済的で、これから先の軍事支援の金額よりは、はるかに安価に収まるのではないでしょうか?とにかく、早く終わらせることを第一に、世界中で真剣に知恵を出し合って、一刻も早く終わらせることに全力を注ぐことが肝要です。
プーチンの精神的なよりどころである日本の柔道には、精一杯戦って勝敗がつかない時には、「引き分け」という決着もあります。双方が試合の終わった後に「俺の方が実質的に勝ったな。」と思うような”引き分け”をどう作れるか、これが”外交”の最も大事な役割であり、世界外交の正念場と言えます。なぜならば、それができなければ、これから先さらに、世界中で紛争の解決には、武力を使うという事態が続くでしょうから。
(あとがき)
「どうしたら、この戦争を早く終わらせることができるか?」をチャットGPTに聞いてみました。答えは、 ①当事者が直接交渉すること。(⇒それができないから、終わらない。) ②国際社会が仲介すること。(⇒どんな仲介をすれば終わるのか、具体的な案は?) ③国際社会が圧力をかけること。(⇒今でも経済的制裁をかけてるけど) ③国際社会が軍事介入すること。(⇒そんなことしたら、火に油を注ぐ様なものやで。)だそうです。()内は私の感想。チャットGPT、まだまだかな?