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長い冬が明け、春の希望が満ち溢れるこの季節ですが、今年も3月11日がやってきます。あれから、ちょうど10年です。「10年ひと昔」と言って10年も経つと、もう昔のことだと忘れられてしまうことが多いですが、あの生々しい惨状はまだまだ記憶に新しく、また被災地も完全復興とはなっていません。今でも仮設住宅に住むことを余儀なくされている人、また、写真の福島第一原発についても冷却のために使い続けなくてはならない汚染水をどうするのか? さらに、福島産というだけで敬遠されている魚介や農産物の風評被害など、10年経っても課題が山積みです。
しかし、人間というのは非情なもので、3月11日が近づくと、あの惨事を思い出しますが、私も含めて、今苦労している人たちに対して支援をしようという気持ちは、やはり10年でずいぶん薄れてきてるのではないでしょうか? そのことは、ある意味仕方なくて、震災後も毎年の台風や洪水の被害、他地域の地震被害、またコロナによる新たな被害など、支援をしなくてはならない事柄が次から次へと出てくるので、経済的にも感情的にも一つの災害にだけ力を入れられないことは確かです。
ただ、それでもできる支援はたくさんあります。例えば福島産の農産物や魚介類などは韓国等の海外だけでなく、日本人の中でも根強い拒否感があって、未だに元の量まで販売額が戻ってないらしいです。売れたとしても価格は他の地域よりも安くしないと売れないとのこと。放射性物質の含有量など、全く人体に被害がない水準なのに、なぜか拒否する人が多いそうです。新たに寄付を財布から出してくれとなると、出せるキャパは決まっていますので、いつまでも東日本大震災にばかり支援はできないかもしれません。ただ、積極的に福島や周辺地域の食べ物を日本中で使うことは、同じ食べ物に同じ金額(福島産は他より安いので、少し得)を使うのですから、生活上は何も困らない訳です。また、流通各社もしっかり安全性を説明しながら、福島フェアなどを定期的にやって拡販の手助けをする。(関東の一部のイオンでは、やっているそうですが、総じて全国では、まだまだ力が入っていない。)私は、放射能なんて全く気になりません。福島産の魚があればもちろん食べますし、三陸のホヤ(マボヤ)の刺身に福島の大吟醸などいいですねえ。また、ふるさと納税では必ず、福島の大吟醸を頼んでいます。(ふるさと納税に対しては、批判的ではありますが、すみません、利用しています。)
これをみんなで広めるために、毎年、3月11日は日本中の量販店や百貨店、アマゾンや楽天などのECも「東北フェア」と称して、福島等の産物を大々的に販売してはどうかと思います。そこに政府も少し支援して、日本中が毎年普通に、しかも無理をせずに支援を続ける。できれば、3月11日を「東北の日」として、休日にしなくても、日本中でそのような支援をする日にしてはどうでしょうか? そうすると、「10年ひと昔」で昔のことだと忘れ去られるのではなく、毎年、記憶を呼び戻しながら、支援を続ける。そして、何十年か経つと悲惨な記憶よりも毎年3月11日には東北のものを食べる日、として人々に受け継がれ、子供たちからは「この日って、どうして東北の日になったの?」と聞かれたら、「昔々、東北で大きな大きな地震があって2万人近い人が亡くなったり、行方不明になったりしたんだよ。だけど、その大きな被害に世界中から暖かい支援が届き、今でも日本中の人たちが応援をするためにこの日があるんだよ。」と語り続けば、聞いた子供たちも助け合う人の心の大事さが、わかるというものです。
みなさん、東北の産物食べてますか? 関西に住んでるので、ネットで取り寄せるくらいしかできませんが、もし、福島を始めとした東北の食材を出している居酒屋等あれば、教えてください。 ぜひ、一緒に行きましょう!
(あとがき)
「10年ひと昔」「のど元過ぎれば熱さも忘れる。」「人の噂も75日」、いやなこと辛いことを忘れることで、新たな未来へ立ち向かっていくこともできるので、記憶から薄れることが悪い事ばかりではないと思います。でも惨事から得られた教訓や人間として助け合う気持ちは絶対に忘れてはいけませんね。10年前を思い出して改めて犠牲になった方へ、合掌。