(続きを読む)をクリック
先月29日に元国連難民高等弁務官の緒方貞子さんが亡くなりました。写真でもわかるように、わずか5フィート(150cm)の小さな女性が、世界の大国を相手に堂々と難民支援を訴えた姿は、世界中の人たちに強烈な印象を与えました。
私は、緒形さんに直接会ったことはないのですが、私の高校時代からの親友がJICA(国際青年協力隊事業団)に務めており、緒方さんがJICA理事長をしていた時には直属の上司として仕えていたので、時折、生の緒方貞子さん情報を聞くことがありました。緒方さんと言えば、やはり世界の難民のために現場に直接出向き、声を聞き、何が大事かを前例に捉われず判断し実行した功績が大きいと思います。国を追われた人しか難民と認めない前例の中、その国の中にいても死と直面している人たちは救うべきだと、イラクのクルド人難民の支援をしたり、サラエボでの難民支援、ルワンダでの支援等々、「難民と言えども一人間である。」と言って、世界の難民のためのために奔走しました。
その姿は、自分さえ良ければ、いいんだと言う自己中心主義に対して、自己は、社会全体の義務を負うために存在し、弱いものを助けるのが本来の人間の生き方であると説く、日本の武士道精神を世界に広めた人ではないかと思います。
そんな素晴らしい日本人の誇りのような緒方さんの活躍にも関わらず、世界の難民は7000万人と、過去最高の人数を更新し、政治や宗教、民族の対立、その他天災や飢餓など、いろんな理由で今も毎日3万7千人の新しい難民が生まれているそうです。しかし、それは自然に生まれるものではなく、紛争をしている国やそのリーダー、そして、それを支援したり、途中で勝手に手を引き、難民をさらに苦境に立たせて平気な大国のリーダー、ほんの一握りの彼ら指導者が、7000万人の難民を作り出しているのです。
しかも、最近の世界の流れは「自国NO1主義」が蔓延り(はびこり)「移民等の規制」をし、自分たちだけ良ければ、という自己中心の考えが堂々と主張されています。緒方さんたちが、頑張ってやってきたことが、なかなか根付かずに、ろくに食べ物もなく、満足な医療が受けられない人たちが、増え続けることは、心が痛むところです。
それに比べて、わが日本は、安全で平和で本当に素晴らしいい国だと感じます。本日、11月10日は天皇陛下のご即位祝賀パレードがあります。国民みんなが力を合わせて、令和における国内外の平和を築く、そんな気持ちを持ちながら、
今の平和に感謝し、ご即位をお祝いしたいと思いますが、それだけでなく、世界には難民として明日の命も危うい人たちがいることも少し思い出して、UNHCR(国連の難民支援機関)等への寄付も少しだけ増やそうかと考えているところです。
緒方貞子さん死去のニュースを聞いて、再度、世界の難民の事を思い出した人も多いと思います。その人たちが、少しでも関心を持ち、何かの役に立とうと行動することは、緒方さんの供養にもなるように思います。
ご冥福をお祈りします。
(あとがき)
緒方さんは、80歳を超えても昼にはステーキをペロリと食べて、それはお元気でパワーがあったと、友人が言ってました。
何か事をなす人は、老けてなんかいられないのでしょうね。